代表コラム
「アイスショーと私」

  • vol.05
    フィリップ・キャンデロロ<4>

“フィリップ・キャンデロロ ジャパンツアー2001” 新横浜スケートセンターで9月29日(土)、30日(日)計3公演の開催が正式に決定しました。

この時点でも、約20年間にわたりイベントの企画、制作に携わってきましたが、今回は“興行”という全く未知の世界へ足を踏み入れたことで、今までに経験のないことをやる覚悟はできていました。その一つは、前述しましたが、興行のリスクを負う=興行主(主催者)としてチケットを販売すること、もう一つはそのチケットを販売するための告知の計画をどのように立てるかと考えていました。

すでに開催まで2ヶ月を切っており、新聞や雑誌の誌面の確保も難しく、今もお世話になっていますが、キョードー東京さんに販売をお願いし、予算も押さえないといけないと思いつつも、この時期から展開できる発売前の告知にも限りがあり、一般販売の期間は約1ヶ月しかありませんでした。そして運営体制や演出内容など、やっと普段の打ち合せを始められたたのは8月中旬頃でした。打ち合せが終わって、 「そう言えばビザ(査証)を取らなければいけないんですよね?」 「えっ何ですかそれ?旅行会社が代理でやってくれるんじゃないんですか?」 こんな会話があって旅行会社に確認すると、旅行会社は旅行の手配を代理でしているのであって、“招聘”は主催者が行うことであり、CICとしてその申請をしなければならないと判明し、大慌てとなりました。

フランス人のフィリップやボナリーのビザは免除されるといっても、それは観光目的の場合であって、日本で報酬を受ける場合はビザが必要とのこと。ペトレンコ、アクロバットチームはウクライナ、ウソハ/プラトフ組、カザコーワ/ドミトリエフ組はロシアで、これらのスケーター達はビザの免除国ではなく、観光でもビザがないと入国できない厳しい国でした。もちろん観光で入国させるわけにはいきませんが、とにかくビザの申請が間に合うのか不安と焦りで頭がいっぱいになりました。

入国管理局にビザを取得するための書類を提出できるのは火曜日と金曜日で、特に正面を見ている免許証のような写真(スケートをしている写真ではダメです)の入手に時間がかかり、不備があると突き返され、こんな基本的なことで招聘ができず中止にしてしまったらどうしようかと、まさに綱渡りの状態でした。何とか書類の提出はしたものの、在留資格認定証明書が送られてくるのは約2週間かかるとのこと、その証明書をスケーターに送り、それを持って母国の日本大使館(領事館)に行き、そこで初めてビザ発給となります。円滑に進めるにはどうするか、自ら政治家の秘書に会ったり、外務省や法務省にも話を聞きに行きました。(次号へつづく)

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